電子書籍
セイジ
著者 辻内智貴 (著)
これはただ、一人の男が見上げた、小さな青空の物語だ。――純粋であるがゆえに、不器用な生き方しかできない男たち。彼らの思いがけない言葉と行動によって、人びとは人生の真実を知ることができる。太宰治賞作家による、奇跡と感動の物語二篇。
セイジ
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本セイジ
2002/07/05 17:28
不器用な男が起こした奇跡が胸をうつ
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:むつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
大学最後の思い出に、友人から借りた自転車で旅に出た主人公。
何気なく立ち寄ったドライブイン「HOUSE475」で雇われ店長の「セイジ」に出会った。
主人公は特に何をするわけでも無くぼんやりと1日を過ごすセイジに興味が湧き、ドライブインに居付く。
そこで、「セイジ」が起こす「奇跡」を目にすることになることも知らずに。
表題作のセイジは、ファンタジー的名要素を多く含み作品であるが、同時収録の作品「竜二」は一変して現実味のある物語になっている。
しかし、その根底に流れているものは同じだ。
純粋であるがゆえに、不器用にしか生きることの出来ない男達が起こした一瞬の奇跡が胸をうつ。
人間の持っている大いなる可能性に気づかせてくれる最高の作品集だ。
とにかく読んでみてほしい。
すべてはセイジが残した、「百年永らえるより、一瞬でいいから生きたいと思うことがあるよ」という言葉が物語っているはずだから。
紙の本セイジ
2005/05/16 12:45
はぁ〜ん?本屋さんも泣いたぁ〜?
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
辻内さんの本は本屋でこれを見付け、最初だったんだけれどね。
「本屋さんも泣いた」というキャッチコピー程でもなかったと思う。
キャッチコピーによって少し本当の感動が薄れてしまったのかもしれない・・・。
でも辻内さんの本はとても好きになりました。
色々読んでみて下さい!お奨め!!
紙の本セイジ
2005/01/19 22:09
ポスト「セカチュー」?
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナカムラマサル - この投稿者のレビュー一覧を見る
のっけから読みたくなくなる本だった。
話の内容ではなく表記の問題だ。
たとえば、
「腹も少し本格的に空いてきた事も有り、」(11ページ)
なぜ、「腹も少し本格的に空いてきたこともあり、」にしないのか。
他の小説でもこのテの無意味な漢字変換に辟易することがあるが、この本はひどすぎる。
試しに本文中の「有る」をすべて「ある」に、「〜で無い」を「〜でない」に、「事」を「こと」に変えてみてほしい。
そうすれば、初めの1章で本を閉じられることは、恐らくなくなるはずだ。
また、著者は強調したい部分を「 」で括ったり、傍点を振る癖があるようだが、それも邪魔だ。
「 」や傍点に頼らずに、最も伝えたいところを読者に分からせるのが小説ではないのか。
一体、編集者は何をやっていたのだろう。
本当にこの本を、この著者を、世に出すつもりがあるのか。
これでは、プロの書評家は、まず黙殺するだろう。
内容に目を移そう。
「セイジ」と「竜二」という中編二編が収録されている。
どちらの主人公も、齢40にして無職、独身。
世間と折り合いをつけることが苦手な人間だ。
登場人物のキャラクター造型は悪くない。
とくに、竜二と兄・高志の関係は読ませる。
「竜二」のラストシーンは、この2人のその後の人生を占う大事な場面。
涙と清々しさの入り混じる、いい幕引きだった。
「セイジ」の、あの行動は、やりすぎ。
あれでどうして女の子が変わっていくのか、説得力に欠ける。