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  • みんなの評価 5つ星のうち 4.3 81件

電子書籍

テルマエ・ロマエ 完結

著者 著者:ヤマザキマリ

すべての“風呂”は、“ローマ”に通ず。
「マンガ大賞2010」と「第14回手塚治虫文化賞短編賞」をW受賞、実写映画(主演:阿部寛)も記録的な大ヒットとなった超ベストセラー・爆笑コミック! 

紀元前128年、第14代皇帝ハドリアヌスが統治し、かつてない活気に溢れているローマ。すべてに斬新さが求められるこの時代、古き良き浴場を愛する設計技師のルシウス・モデストゥスは、生真面目すぎる性格が時代の変化に合わず、職を失ってしまう。落ち込むルシウスは友人に誘われた公衆浴場から、突然現代日本の銭湯にタイムスリップしてしまい……!?

テルマエ・ロマエI

税込 748 6pt

テルマエ・ロマエI

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みんなのレビュー81件

みんなの評価4.3

評価内訳

目から鱗がおちた。風呂がこの上なく新鮮になる!

18人中、18人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

目から鱗が落ちる、とはこういうことを言うのではないだろうか?
まずこれははっきり言って、ギャグ漫画である。
五賢帝、パクスロマーナなどと言われ多いに勢力を伸ばしていた古代ローマ。
最新の技術をもっていると過信していたローマ人だが、ある建築家はよりよい「風呂」の建築に悩んでいる。その彼が溺れ、意識を取り戻すとそこは21世紀、現代日本の風呂&温泉の中!
そこには観たことも無い文化と器具があり、聞いたことの無い言葉をしゃべる異星人のような「平たい顔の民俗」たちがいる。(もちろん日本人のことだ)

戸惑い恐れ混乱しつつも この時代この国日本の最新?技術と文化に脱帽し、ローマ人としての自信とプライドを多いにくずされるのである。

再度溺れて古代ローマに戻った彼は見たモノ触ったものを彼なりに再現し、革新的な「風呂」をローマに作り出す。
彼は瞬く間に成功を収めるが下等民俗(もちろん日本人)に完全に敗北したこと、結局はまねごとであるという秘密に苦悩し続けるのだった・・・

というのが大筋で、毎回これが時と場所を変えては繰り返される。

それにしてもなんというか、リアルだ。
絵がリアル、というのもあるけれど なによりリアルなのはタイムトリップ&ワープした先の日本で全く言葉が通じず、自分がどのような状況にあるのかが結局彼には何一つ解らないままである、ということだ。
よくあるご都合主義の漫画のように、なぜか言葉が通じて意思疎通が出来てしまう、ということはまず無い。当たり前なことだけれど、それがなんとももどかしく、同時に面白くて笑ってしまう。

最初に目から鱗が落ちた、と言ったのはその当たり前の設定あってのものだ。
私たちがなんと言うこともなしに当たり前に使っている電気、湯沸かし、石けん、風呂桶、タオル、風呂上がりの牛乳(笑)や酒。
そうしたものは古代ローマ人にとって信じられない大発明である。
言葉すら通じず自分の想像力だけで(時には的外れな)予想をたて、これはこうするものであろう、これはこういうものだろうと再構築する彼の姿を見ていると、普段使い慣れている石けん一つにもすごいパワーを感じてしまうのである。
いや、まさに目から鱗が落ちた。

今度また2巻が発売されるという。これはもう見逃せない。
古代ローマ時んである彼はこちらの世界にすっかり魅了されているが、読者である私、日本人は彼の今後に興味津々なのである。

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ローマ帝国の建築家の真面目さに大爆笑

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:プチトマ - この投稿者のレビュー一覧を見る

まず奇抜な設定の大勝利!でも登場人物の転がし方がさらに秀逸。
表紙と帯の案内文だけで買いましたが大当たり。
設定だけであとはつまらないそこらの凡作とは大違い。

ローマ帝国の誇り高き帝国民であり、勤勉な風呂建築家のルシウスは
ある日発想に行き詰まり、公衆浴場で悩んでいたところなぜか
現代日本の風呂にタイムスリップ。

風呂絵、フルーツ牛乳、露天風呂・・・・
他民族の優れた文明にローマ人の自信を失いかけながらもそれを
元の時代に取り入れる。斬新さから彼は一躍「天才風呂建築家」に。
その名声は賢帝ハドリアヌス帝の耳にも。

「顔の平らな民俗」の風呂文化に真面目に驚愕し真摯に取り入れる
ルシウスと周りの反応が笑いのツボにはまりまくる。

タイムスリップという非現実にさえ目をつぶれば、
人物描写は奥深く、時代考証にも手抜きはない。

朝日新聞の書評に載るのは確実と見ますが。

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古代ローマと現代日本。大真面目で職人気質の風呂設計技師ルシウスがタイムスリップ…!必読の「マンガ大賞」受賞作品。

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:月乃春水 - この投稿者のレビュー一覧を見る

この表紙!目に飛び込んで来ますよねぇ…。わたしも書店でバーン!とご対面。こ、こ、これは読まねば…という衝動に駆られて購入しました。

ギリシャ彫刻かと見紛う表紙のこの方(手に持つは風呂桶に赤い手拭い、それともアカすり!?)、建国から約八百年、紀元128年のローマに住むルシウス・モデストゥス、職業は設計技師(風呂限定!)。
公衆浴場の建設案は古い、今のローマが求めているのは斬新さだ、と切り捨てられてしまいます。
屈辱に震え、悩むルシウス。これがまた、彫刻そのものような、彫りの深い顔で苦悶するものだから、読者も悶絶してしまいます。

明るく気さくな友人マルクスとひとっ風呂浴びに行き、風呂に潜り込んだルシウスは、排水溝に吸い込まれ、息も絶え絶えにぷふァッ!と水面から出てみれば、そこは現代の日本の銭湯であった…。

驚愕するルシウス。それも当然…!そして妙に人懐っこくやさしく親切な「平たい顔族」日本人。

壁に描かれた富士山(ルシウスはポンペイのヴェスビオス山と勘違いするのですが)、黄色いプラスチック製の洗面器、壁に張られた広告ポスター(ルシウスが言うには「催し物の告知」)、着替えを入れるカゴ…ひとつひとつを驚きの目で見てはチェック。
さらには「さァさァ遠慮しなさんな!」と差し出されたフルーツ牛乳の美味さに「この世の物なのか!?」とまたもや驚愕して、夢心地。
そして気づけばローマに戻っている…

大真面目なルシウス。クソ真面目と言うべきか、とても仕事熱心な職人なのです。見て経験したものをさっそく新しい浴場に取り入れて、大繁盛。

…というのが第1話。

話ごとに挿入されている作者のヤマザキマリさんの解説エッセイがとてもいい。
古代ローマの排水溝、下水道、作中に登場する金属製のストリジルというアカスリなどの写真もあります。背景や当時の様子がわかることで、この漫画の味わいも深みも増す、というもの。感謝したくなります。

第2話以降、ルシウスの設計した、まさに「斬新な」浴場の評判を聞きつけての依頼、そこでルシウスがまたもやハプニングでタイムスリップ…というパターンなのですが、バリエーションに富んでいます。そこが笑いつつも唸ってしまうところ。

これは「ギャグマンガ」に分類されているようですが、読者を笑わそう、という意図のものではなく、主人公のルシウスの真面目な探究心が、日本に暮らしているわたしたち日本人読者には結果的に笑えてしまう、という、じつはとても深い仕組み(!?)になっています。

これ、外国語に翻訳して外人が見たらどうなんでしょうね?まずはやはりイタリアで?それとも作者が暮らすポルトガルで?なにはともあれ、まずは英語?
読んだ人の反応をぜひ知りたいです。

『マンガ大賞』2010年受賞作品。当然でしょう!おめでとうございます。


本についてのよもやま話。□□本のこと あれこれ□□

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いっい湯だぁ~な♪時空を越えた風呂マンガ・古代ローマより愛を込めて

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:鳥居くろーん - この投稿者のレビュー一覧を見る

――伝統的な浴場にこだわるあまり、閑職を言い渡された古代ローマの建築技師・ルシウス。失意の中、彼は気晴らしに訪れた公衆浴場の浴槽の底に、ぽっかりと開いた穴を見つけてしまう。穴に吸い込まれた彼を待ち受けていたのは、なんと、現代日本の風呂であった!

いやー、ヘンテコリンな漫画はいくつもあるから大抵のことでは驚かんと思っていたけど、風呂マンガとはおそれいった。しかも国籍はおろか時代まで超越してしまうこのスケールのデカさ!

なんてったって、古代ローマの風呂と現代日本の風呂がつながっちまうって発想がすっばらしいねー。よく考えりゃ風呂ってトコは、老いも若きも男も女も奴隷も金持ちも日本人もローマ人もみんなそろってスッポンポン。宮崎駿の「千と千尋」の舞台にも使われた、世にも稀なるボーダレスな空間なのであります。

こんな異空間なんだから、古代ローマと日本がつながっちゃっても全然不思議じゃないよな、と、なんとなく思わせてしまうところに、風呂の恐るべき魔力が秘められていると言うべきか。

風呂上がり銭湯のフルーツ牛乳で恍惚に浸ってしまうルシウス……あー、こんな幸せ空間に自分も浸りたい!そんな衝動に駆られてしまうこと請け合いのワンダフルな作品でありました。

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何とアーティスティックな…浴場万華鏡を愉しく誤読せよ

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:TACHO - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ハドリアヌス帝時代のローマ人が現代日本にタイムスリップし、その浴場文明に打ちのめされて帰っていく。それも毎回。
彼我のテクノロジー・ギャップを測るよすがとしての時間差は二千年近く。一頃流行った架空戦記にも、こんな大人気無い話は無い。
 もっとも、主人公ルキウスは自ら目の当たりにした知識を活用して名声を得る。とは言え、彼の事蹟は今に伝わっておらず(笑)、過去改竄型のタイムトラベルものに付きまとう成金趣味ともこの作品は無縁である。日本の風呂文化に驚愕、ローマ人としての誇り故に葛藤する彼の姿は確かに滑稽だが、もとより真剣に苦悩している人間の大半は、傍から見れば滑稽で、からかいたくなるものだ。では何故、読者はそんな彼を笑いつつもエールを送ってしまうのか?
 この愛すべき主人公―真面目で堅物、職人気質ながら己の独創性に疑問を持ち、仕事熱心のあまり家庭崩壊の危機まで招いてしまう―が、つい昨日までの日本人の似姿に他ならないからだ。そして作中の『日本』像はこの視点人物を介して読者に提供される。これは単なる自惚れ鏡ではなく、合わせ鏡が生み出す鏡面回廊である。こんな人生の皮肉さえ感じさせるコンセプトが面白くないはずが無い!
 主人公の(楽しくも)不幸な『すれ違い』は彼我の時間差を認識できていない点にある。とすれば、この作品を楽しめなかった読者は(日本人を想定しています)、主人公と自身との同質性を認識できなかったのだ。作品の内外でコンセプチュアル・アート的状況を構築してしまう、恐るべきギャグ漫画…と誤読しておこう(笑)。

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人間が堕落する場所、それが温泉街

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ハドリアヌスとその後継者であるアエリウスに反感をもつ元老院議員たちが、彼らの人気の源である風呂、そしてその設計者であるルシウスを排除するため、謀略をめぐらせる。皇帝の命と偽って、ルシウスを山賊たちの縄張りに向かわせたのだ。
 しかしルシウスは、その山賊たちを巻き込み、温泉街を作ろうとする。そんなとき、また風呂に落ちたルシウスは、平たい顔族の温泉街にやってくる。そこで見る数々のものに、刺激を受けたルシウスが作り上げる温泉街とは…。

 他に、属州総督となったアエリウスにお風呂を作ったり、成金集団からのハデハデ設計の依頼にスマートに応えたり、ルシウスの活躍が描かれる。
 そして、物語はハドリアヌス後継のエピソードへと進んで行きそう。

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滑稽話の向こうに、私の胸の内に重なるものが見えた気がする。

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る

 紀元2世紀のローマ帝国で建築技師のルシウス・モデストゥスは行き詰まっていた。公衆浴場をデザインするにあたって斬新なアイデアが浮かばないのだ。雇い主と諍い別れして公衆浴場に使っている最中、底から21世紀への日本の銭湯へとタイムスリップしてしまう…。
 「テルマエ・ロマエ」とは「ローマの浴場」の意。

 毎回ルシウスはひょんなことから現代日本へ跳んでしまうのですが、まさか時間旅行しているとは露いささかも思わず、どこか別の土地にある、超高度な文明に発展を遂げた“平たい顔族”の国に紛れ込んだと思い込んでいます。そして目の当たりにした日本の様々な入浴文化をパクッて、ローマ帝国へ舞い戻ると同時に導入するという挙に出るのです。
 壁に描かれた富士山の絵。
 湯上り直後のフルーツ牛乳。
 脱衣かご。
 シャワーキャップ。
 地熱利用のオンドル小屋。
 温泉卵。

 ルシウスの持ち帰った入浴文化は民衆ばかりか時の皇帝ハドリアヌスにも注目され、重用されることになります。
 ローマ帝国と日本の入浴文化に対する丹念な取材に裏打ちされた教養コメディともいえるギャグマンガです。

 しかし笑って済ますだけの荒唐無稽なお話ではないところがこの作品にはあります。
 ルシウスは「これもローマ帝国の発展のため」と自分に強く言い聞かせることで数々の剽窃行為を正当化していくのですが、その苦しい胸の内がどこか憎めません。決して許されない行動ではありながら、ルシウスの行ないは常に独創性を強く求められる現代日本のサラリーマンである私の心に添うものが大いにあるのです。
 皇帝に招へいされたルシウスが過敏性腸症候群を患うところなどもまさにサラリーマン的です。
 そんな現代に通じるお話を、突き抜けた設定で滑稽に描く作者ヤマザキマリの力量に敬服します。

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表紙のギャグセンスの通りの中味になっております。

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みどりのひかり - この投稿者のレビュー一覧を見る


 何人もの方が書評を書かれていますので、みなさんのを読めば大体のことはわかります。

 表紙の、デッサン練習用のギリシャローマ時代の石膏像を思わせる絵を、私は初め迂闊にも見逃してしまっていて、何の違和感もなく、普通によくある石膏像の絵だと思っていました。
 ところがこれが、どうやら手ぬぐいを肩にかけ、湯桶(風呂桶)を持った、まじめな(風呂専門?の)建築士、ルシウス・モデストゥスそのひとなのでしょう。(?)

 表紙のギャグセンスの通りの中味になっております。

 著者のヤマザキ マリ先生は昭和42年生まれのようですが、あと20年早く生まれていれば、また違った日本の風呂の様子も描けたかも知れません。

 五歳まで、現在の別府市の古市町というところで育った私”みどりのひかり”は、そこの共同浴場(その地域の住民が入る浴場で温泉が引かれている)のようすをよく覚えています。風呂は男湯と女湯に別れて作られてはいるのですが。木の板で作られた2メートルくらいの高さの仕切りがあって、その仕切りに戸がついていて、出入りできるようになっていました。その戸は、出入りするために使われるというよりも、女湯と男湯の向こうとこっちで、夫婦、親子、兄弟姉妹が、石鹸のやりとりをするときによく利用されていました。昭和28年くらいの頃です。今ほど裸に対していやらしく扱うこともなく自然でした。

 その浴場は外からみると1階建てで、木の建具のガラス窓も普通についていて、洗い場と浴槽は地下4メートルか5メートルくらいのところにあり、1階の窓から見おろすことができました。でも誰も興味本位に女風呂を覗く者などいなかったのですが、今では女風呂の方の窓は目隠しされています。

 しょうもない西洋文明が入ってきたものだと思っております。江戸時代以前は、外人は珍しかったので外人が通ったときは、それを見るために男も女も裸のまま風呂から出てきたという話を何かで読みましたが、その裸を見ても何でもない文化の方が人間の本来あるべき姿だと私は思います。
 そのなごりが昭和20年代までは、(観光地などの特別の所でなく)毎日の日常の生活の共同浴場の中に若干残ってあったのでしょうが、今はもうありません。裸を見ても何でもないという文化は消えてしまいました。

 変わり映えのしない決まりきった映像のポルノビデオが、数だけ多く出回っている現代文明。

 裸を恥ずかしいこととする文化はキリスト教に由来するのでしょうか。それもひとつの文化ではありますが、世界中に拡げなければならないほどのものでもないし、高級な文化とも思えません。

 ヤマザキマリ先生が昭和20年代の風呂文化を体験していたら、また違った面白さも生まれてきたでしょう。

 素晴らしきテルマエ・ロマエは、王様のブランチ等で紹介されたため一時売り切れになっていて、仕方がないのでヤマザキマリ先生の別の作品、「ルミとマヤとその周辺」を先に買って読みました。こちらはまた、テルマエ・ロマエと違った素晴らしさがあります。そちらの書評も書きましたので次をクリックしてみて下さい。

ルミとマヤとその周辺_2

ルミとマヤとその周辺_1


「ルミとマヤとその周辺」には、あたたかいものがあって、感動の作品です。

 先ほどキリスト教文化の気に入ってない部分のことを書きましたが、好きな面、素晴らしい面についてはこちらに書いていますのでご覧下さい。

ハイジ_福音館古典童話シリーズ


そして、これらと共通するものが下記のもの

不落樽号の旅

山月記・李陵_岩波文庫

にもあるでしょうか。これらもご覧下さい。

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ローマ人の目から見た日本の風呂文化

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 古代ローマの浴場技師ルシウスは、現代の日本に幾度もタイムスリップして、そのつど「平たい顔族」つまり日本人の風呂文化に大きな感銘をうけ、それらの知識をたずさえてローマにもどってゆく。古代ローマ人と日本人という、ともに風呂を愛し、風呂の文化においては卓越したものを残した国民同士が遠い時空をこえてつながるという荒唐無稽ながらも、実に愉快なストーリーである。塩野七生の『ローマ人の物語』を読んで以来、ローマ人の偉大さに惚れこんだ私にとって、日本人がローマ人の尊敬の的となるという設定は小気味よいものがある。
 ルシウスが驚愕をし、学ぶものは、ほとんどが近代文明の産物であって、うがった見方をすれば、単に古代人が現代の物質文明におどろいているだけの話といえるかもしれない。しかし、垢すり、銭湯の風流な壁画、風呂上りの冷えたミルク飲料、風呂場のマナーを記した掲示板等々、日本人ならではの細やかな感性が生かされたアイディアには、ルシウスのみならずわれわれも、新たな感動をおぼえる。これは、失われつつあるわが国の風呂文化のよさを、ローマ人の目を通して再認識させてくれる本と言っていいだろう。
 人気のシリーズも、本作で4巻目。テレビアニメ化され、映画も近々公開されるという。それもあってか、本巻では、今までのように1話完結型ではなく、一冊丸ごと長編の連載で、さらにそれが5巻に続くようになっている。今回の舞台は日本旅館。ここでも、芸者、日本料理の盛りつけ、さらにはローマのユピテル神が動かしているのだと教えられるテレビ等々、ルシウスのカルチャーショックはさらに高まる。ラテン語をあやつる才色兼備の日本人女性の登場も、これまでにはなかったロマンスの要素を感じさせる。第5巻の発売が待ち遠しい。(ルシウスは、無事ローマに帰れるのか...)

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ルシウスの運命は?!

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:胡柚子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

アニメ化され、映画も公開予定の大人気作品。
これまでは、「主人公ルシウスが、現代日本に一時的に滞在する」という形の短編でしたが、この巻からは長編に。
ローマに帰れないまま、ルシウスは日本の温泉で働くことになります。

ラテン語を話せる女性(かなりビックリな経歴の美女です)も登場し、なにかと波乱の展開に。彼女とのロマンスも気になります。

ローマもたいへんな状況になっているので、いったいいつ帰れるのか。どうなるのか。
続きが楽しみな作品です。


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伝統と変革の相克の物語として読むギャグマンガ

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る


 紀元2世紀のローマ帝国と21世紀日本を行き来しながら入浴文化を見つめ続ける建築技師ルシウス。彼の物語の第2巻です。

 巻頭を飾る第6話は、時代と国を越えた男根崇拝を巡るお話です。
 キリスト教文化の浸透によって裸体やセックスに関する考え方が大きく変貌を遂げた西洋社会。そしてその西洋社会を追いかけ模倣した明治以降の日本社会。どちらでも男 根崇拝文化は時代錯誤的な過去の遺物と捉えられがちなところがあります。
 しかし多くの人々が敬意をもって守ってきた文化が、強力な異文明によって駆逐されていくことを「進化」の名の下に正当化できるとも限りません。

 この第2巻の通奏低音となっているのが、まさにその伝統と変革の相克です。
 ルシウスが剽窃した日本の入浴文化はローマの公衆浴場に一大変革をもたらしましたが、その一方で伝統的な浴場経営者たちを大いに悩ませることになったという第10話のストーリー展開はなかなか秀逸です。
 ルシウスは「新しい物と同じ位古き良き物は大切にされなければならない…。それがローマの寛容さではなかったか…」と涙を流すのです。
 
 まさに寛容こそが人間社会を支える大きな要素であることを、1900年ほど前の帝国を舞台に描くギャグ漫画。これをそういう作品として読みました。

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本屋の広告で知った漫画。

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 書店にある看板で存在は知っていたが、買って一気読みしたのはつい先日である。一話完結の読み切りから一巻では終わらない連載ものに変わっているので、読んでいても戸惑いはある。
 4巻から登場するラテン語の話せる芸者で、ふと連想したのはローマ市民権を持つユダヤ人の使徒パウロである。パウロはギリシャ語は出来るが、多分ラテン語は出来ないと思う。「使徒行伝」にはローマ市民権を買った千人隊長も登場するが、どのぐらいラテン語が出来るかどうか。
 主人公は風呂の設計技師だが、ローマの支配階級はラテン語とギリシャ語のバイリンガルだったから、ギリシャ語が母語の登場人物が出て来たら、どうだろうか。もっともハドリアヌス帝の時代の時系列がそのまま物語の流れになっている作品なので、余計な登場人物を出すのは無理かもしれない。

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さらなる展開に期待!

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゆーとのママ - この投稿者のレビュー一覧を見る

待望の第4巻!
これまではタイムスリップして「平たい顔族」の風呂をうまくローマでの仕事にとりいれるにあたって、相手から情報をもらうだけであったが、今回はラテン語のできる現代女性の(しかも若く美しい独身!)登場により互いの情報を与えあえるようになった点でより一層の活躍が期待できる展開となっていると思う。(ロマンス的展開も期待できそう...)


この本を読み始めて以来、日本の風呂を見つめなおし「あああ、こんないいところがあったんだ~」と思える点も好ましい。

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タイムトラベル風呂漫画にまさかの新機軸な新展開。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:霜柱 - この投稿者のレビュー一覧を見る

遥かローマの時代と現代とを風呂を介して行き来し、現代の風呂知識を過去のローマで活かして来た主人公のルシウス。
この4巻で彼はこれまでにない、未知の状況に叩き込まれる事になります。

これまでの出来事が毎週放送されるテレビドラマならば、この巻のエピソードはまるで劇場版のような展開ですねー
未知の状況における新たな出会いがこれからどうなって行くのか、続きが大変楽しみです。

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電子書籍テルマエ・ロマエIII

2023/07/28 21:23

ついに街まで

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:michaq - この投稿者のレビュー一覧を見る

今までは銭湯や個人宅のお風呂などを参考にしていたのに、ついに温泉街丸ごとを再現しようとするルシウス。仕事にあぶれて山賊になっていた男達も使うという有能ぶり、それはハドリアヌスも目をつけますね。

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